
日本にいながら口座開設できるオフショア銀行、なんだかとても利便性の良い響きです。
しかし、オフショア=対岸を意味することから、「日本にいながらという利便性は一瞬のうちにストレスに変わる可能性がある」ことを知る必要はあるでしょう。知らなければ後で確実に泣きを見ます。
日本で口座開設できるというのは、そのオフショア銀行にとっては「無視したり手続き遅延しても攻めて来れない都合のいい顧客」として見られている可能性が高いと言う意味です。ここでは一次情報としての注意点をお伝えします。
Contents
日本にいながら口座開設できる海外銀行の注意点
日本にいながら口座開設できるオフショア銀行という名の脆弱性
日本にいながら口座開設できるオフショア銀行は、このインフレ円安下で取り組みやすい資産防衛策として注目されています。
以下の記事でご説明していますとおりパスポートを提出し、オンラインで手続きが可能で渡航する必要もない、国内で入金が済みアプリもあるなどある程度の条件が揃えば、誰しも利用を考えるはずです。
しかし利便性を優先し過ぎれば、「資産防衛=日本からの物理的隔離」の強度を自ら下げに行くような行為でもあることを知っておかなければなりません。
オフショア銀行手数料の明確さと透明性・金融実務における定率コストの異常性
世界中のどの法域であっても、銀行が提供する利用手数料は通常定額による作業量対価となっています。以下手数料を挙げてみましたので参考にされてみてください。
| 手数料 | 料金 |
| 送金手数料(レミッタンスフィ) | 数百円〜5,000円程度 |
| 振替手数料 | 数百円 |
| 着金手数料 | 数百円〜3,000円程度 |
| 出金手数料 | 数百円 |
| 口座維持手数料(メンテナンスフィ) | 月額数ドル〜数十ドル |
| デビットカード発行手数料 | 通常なし |
| デビットカード再発行手数料 | 1000円程度 |
| キャッシュカード再発行手数料 | 500円~1000円 |
| 為替スプレッド(隠れ両替コスト) | 1ドルにつき1円以下 |
| 中継銀行手数料(リフティングチャージ) | 2500-4000円程度 |
| 外貨取扱い手数料 | 最低2500円・上限額あり |
外貨取扱手数料(Lifting Charge)については円を仲介せずに外貨で送金・着金させる際にかかる手数料です。送金額の0.05%程度に設定されていることが多く最低額も上限額も設定されているのが一般的です。
上のように手数料が明確ではじめに提示されていれば透明性があって問題ありません。
現代の銀行システムでは100万円も1億円も額によって作業量がそれほど変わることがないため、上のような定額の手数料が決まっています。
しかし驚くことに10万円で1.1万円、1,000万円で110万円など入金額に対して定率(%)で元本を削り取るケースもあります。一般的な銀行実務において手数料が元本の〇%という定率で跳ね上がることはあり得ません。
預金した瞬間に元本の数十%が毀損するということはその後の運用で年利5%を達成したとしても、元本を回復するまでに数年要するという意味です。
しかしオフショア銀行という建付けで利用者は円から外貨に変わって正味のコストが正確に把握できないこともあり、たいていは元本が棄損していることにすら気付きません。
海外だからこうなのかしら?と容認する人がいたとしたら、それは情報弱者に成り下がっている証拠です。
手続きや解約が異常に長く不透明・透明性がないオフショア銀行は致命的
本物の金融機関であれば解約手続きは定型化されており、数日から長くとも数週間で完了します。しかし実体のない組織ほど意図的に時間をかけて顧客の手続きや解約の意欲を失わせようとします。
そもそも私たち日本人にとってインフレ円安時の資産防衛では、日本から物理的に隔離することが必要とされます。この物理的隔離において最も確保したいのは、いつでも動かせる流動性です。
海外だから時間がかかりますと言う言い訳はあり得ません。手続きや解約に数ヶ月かかり、「手続き中・確認中・コンプライアンスの再審査」の一点張りで数ヶ月放置されるならば(あるいは不透明で見えないという状態)は資産を奪われているのと同じ。
国の規制下で運営が許可される金融機関で、数ヶ月も「確認」が続くことはあり得ません。それは払い出すための現金が手元にないか、解約を諦めさせるための方法のどちらかと疑うべきでしょう。
入口はステーブルコインやクレジットカードなど多くの入金経路が用意されているにもかかわらず、出金・解約は手数料を取り出口が塞がれていて遅いようであれば到底まともな金融機関とは言えません。
オフショア銀行担当の都合が悪ければ放置または逆切れ
日本人は良くも悪くも勤労でおそらく世界一の職業倫理感があります。外国の金融機関と日本人を比べるとストレスになるだけなので100多めに見るくらいの気持ちでいた方がいいでしょう。
外国人は良くも悪くも楽観的で、その場その場で自分がいかに得をするかが至上最高の行動規範となっています。ですから、得にならないような仕事の連絡が入っても恐ろしいほど平気で無視をしたり、果ては逆切れするような人もいます。
こうした点をひっくるめて「資産防衛や高金利の代償やコスト」と割り切れないとやっていけません。
オフショア銀行の組織内で責任の所在があいまい
オフショア銀行実務において、担当者がコロコロ入れ替わり引き継ぎも不透明で責任の所在があいまいな状態が多々あります。これは端的に不誠実なわけではありません。組織的な末期状態に陥っている証拠です。
問い合わせても誰も答えようとしない、または誰が答えるべきか明確でないから誰も答える必要性を感じていません。プライベートバンクなど長期にわたる人間関係と明確な法的責任に基づいた実務を行う金融機関からすると、信じがたいような実態です。
最も重要なのは誰がそのオフショア銀行の仕組みを維持し、誰が最後に責任を取ってくれるのかという継続性。資産形成は時間をかけないと増えないようになっています。継続性こそ重要な品質です。
解約や相続、トラブルの際に、逃げ隠れせずに対処する責任の主体が必要です。内部の人間が次々と去っていくようなオフショア銀行組織に、自分の大切な資産を永続的に置いておけるはずがありません。
もしあなたがそんなオフショア銀行と関わっているならば、資産形成などできる場ではないと即判断を下すべきでしょう。
過度な封じ込め・それは金融機関と呼べない
多くの人はオフショア銀行の高金利に目を奪われます。しかし契約の質を判断できる人はそう多くありません。
本来、金融機関と顧客の間の契約は「銀行側の資産の保全」と「契約者の権利の確定」のためにあります。
しかし稀に過剰な守秘義務を強いられるケースが見受けられます。金融実務において、こうした過度な趣旨義務はサービス自体が外部の客観的検証に耐えられないことを、自覚しているサインです。
国から与えられた金融機関という正当な許可証を持つ運営体が、なぜ顧客の感想レビューや事実の共有をそれほどまでに隠す必要があるのでしょう。
自信があるならば、批判や疑問に対してはロジックで答えれば済む話。それがきずに文書契約という封じ込めで情報の流動性を止めようとする組織は資産を預ける先としてはあまりに不安定です。
【当方は、相互の信頼関係を構築できる方を最優先しております。専門家の知見に対する軽視、あるいは一方的な搾取が確認された場合は、一切の通告なく接続を遮断いたします。】