早期退職は損か得か? 退職金は第二の人生をよりよくするための手段

早期退職が損か得かを知りたい人に向け、ここでは「退職する前から納得する方法」を解説しています。

究極退職金はこれからの人生をよりよくするための手段。つまり退職金が十分であればそれが実現できますし、不足すれば実現も難しくなる、しかしながら人生は”お金オンリーでもなし”です。

早期退職が損か得かを現段階ではっきりさせたい方は参考にされてください。

早期退職が損か得か、「退職する前から納得する方法」はたった一つ

早期退職が損なのか得なのか、考え出すとごちゃごちゃしてきてわからなくなるのが正直なところなのではないでしょうか。

ココがポイント

早期退職は損か得かを決めるのは【会社から提示されている早期退職の条件】と【退職後のマネープラン】のすり合わせ・自身が納得しているかどうかに尽きるように思います。

早期退職時に損か得かを判断しようとするもので、その後の生活次第で「得だった」とも「損だった」と転がる可能性も十分ありえるでしょう。

究極なポイントは、「希望の第二の人生を送りながらお金をより充実した人生のために活用できること」にあります。お金は充実した人生を送るための財源で、なければその実現もままならいこともあるかもしれません。とどのつまり早期退職は老後資金です。

ないと困るかもしれませんがあって困るモノでもない、この意味で退職金は条件で飲むかどうかを決めてもいいと言えます。

まずは早期退職と希望退職の違いを知っておく

退職にも選択的定年制度と早期希望退職制度があり、以下のような点で異なっています。

選択定年制度 早期希望退職制度
意味 自己都合退職 会社都合退職
退職金の加算 あり
退職のタイミング ある程度自分で決められる 思い通りにならない
(募集時期が限られる)
再就職支援 あり
失業保険 2-3ケ月後の受給
会社都合と比べて受給日数が少ない
スピーディ受給
自己都合と比べて受給日数が多い
最たる注意点 定年後に勤務を続ける場合、役職が剥奪されたり減給が見込まれる 会社との合意形成が不可欠

希望退職についてはタイミングを伸ばせば次にいつ募集が行われるか定かでありません。しかも、次のタイミングに同等の条件で必ず募集されるわけでもありません。

一方見切り発車で希望退職制度に参賀しても、めまぐるしい環境の変化の中で退職後のマネープランを詰め切れない場合もあるはずです。

ここは以下のようにしっかりと早期退職が損か得かをジャッジし、その後にマネープランを行うしかなさそうです。

早期退職は損か得か?をジャッジする流れ

「お金は充実した人生を送るための財源で、なければその実現もままならいこともあるかもしれません。とどのつまり早期退職は老後資金です。」とお伝えしました。

これは以下シミュレーションにて早期退職が損か得かを腑に落ちるまでジャッジしてみましょう。

会社から早期退職金の具体的な金額が提示されている

この具体的な金額を提示してもらう点について遠慮は不要です。退職後がかかっていますし事務的に確認するだけで構いません。

退職金・将来の公的年金・支出・資産・負債を正確に把握しておく

以下ライフプランシミュレーションを正確に行う

①【収入・支出・負債・一括払い資産の入力】

☟いくつも一括払いの資産がある場合は以下で一つ一つ入力

②【積立資産の入力(積立NISAなど)】

ココに注意

③:①と②の結果を総合的に判断:老後に資産がマイナスにならないことがマスト

ココがポイント

最終局面で老後資金がショートしていないことが「早期退職が損」とならない生命線となるでしょう。

早期退職のマネープランについては、以下人気の記事でしっかり行ってみてくださいね。

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早期退職でこんなパターンがある

早期退職で人様の事例も大いに参考になるのは確かです。以下のようなパターンはよく目にする早期退職のパターンと言えるのではないでしょうか。

自己都合により選択定年制度を利用

  • 55歳以降、役員以外の給与が40%減となる制度の会社で、早期退職金の条件として4000万円を提示される。結果自己都合により退職。
  • 選択的定年制度でこれまでの資産と提示された退職金を合わせ、トータルで「退職すると不利」と見込んで会社に残留。

会社都合で早期退職希望制度を利用

  • それまでの資産と早期退職金の5000万円を合わせて退職
  • 1度目の募集は見送り、次の募集で割増退職金を提示されて結果的に退職

企業の業績悪化で早期退職希望制度が活用されるケースが多くなっているようです。

それに合わせて本人の希望が合致すれば円満退社となるのかもしれません。

現実的な話の諸事情ですと、住宅ローンの残債があって残留していた方が払い切れるなどといった50代世代は少なくないかもしれません。

住宅ローンの残債がない方で早期退職制度を活用したのち、役職から外れて1年毎の更新契約で会社に残留したような方もいらっしゃるはずです。

繰り返しになるかもしれませんが早期退職が得となるケースは、おそらくどんな退職後の日々を送るのが希望なのかを明確にすることでしょう。退職金はそれを実現するための手段ですので、しっかり向き合う必要があろうかと思います。

早期退職で起こりえるトラブル

スムースに何の問題なく早期退職できるだけでもないようです。

中には以下のようにトラブルにもなりかねないパターンもお聞きしています。

早期退職でありがちなトラブル

  • 会社都合の意味合いが強いのにも関わらず、自己都合退職にすり替わっている
  • 自己都合退職を強めに促される
  • 早期退職金制度で加算されるはずが、割増退職金が支払われない

冷静かつ客観的になるのが難しいケースがあるかもしれませんが、「あれ?」と思った点を整理し、場合によっては市が行っている法律相談窓口を利用するなど専門家の意見も聞いてみるといいのではないでしょうか。

もちろん自主的に有料の法律相談を活用されてもいいでしょう。

ココがポイント

専門家に話してみると、違和感が独りよがりに過ぎないのか、そうでもないのか、がかなり明確になっておすすめです。

早期退職は条件で納得できるかどうかで決めていい

退職金はその後希望の生活をより良くするための手段です。なさ過ぎても困り、あって困るモノでもありません。

つまり退職後のご自身の希望の生活をリアルに描き、それにどれくらいのお金が必要なのかしっかり向き合うこと以外に損得が決まることはないのです。

わからないこと・お聞きになりたいことがあれば以下でご相談ください。

 

  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。