早期退職のマンション購入・家賃か所有かそれとも戸建てか、それとも海外コンドミニアムか?

早期退職におけるマンション購入の以下2パターンを詳しく解説します。

早期退職時にマンションを購入する2パターン

  • 投資物件として購入
  • 住み替えとして購入(賃貸や戸建てからマンション購入へ)

マンションを購入した人のうち3割は50代が占めている言われ、それも子供の成人や早期退職などで住まい方をアップデートするといったニーズが浮上するからです。

ここでは賃貸かマンション購入かシミュレーションもできるようになっていますので参考にされてください。

投資物件として早期退職時にマンション購入

早期退職時に投資物件としてマンションを購入するとき、退職金を資金にしてのマンション購入を検討する人は少なくありません。

50代など退職時までたまっていた資産と退職金でマンションを購入し、その不動産を元手に売却益や家賃収入を得ながらゆとりある老後を送っていくわけです。

以下の早期退職の流れに魅力を感じる人は少なくないでしょう。

  1. 早期退職で会社員としての収入がなくなる
  2. 早期退職により会社勤めのストレスから解放される
  3. 退職金により家賃収入を得ながら定期的な収入を確保

早期退職を検討している40代ははやめの賃貸収入に着手

いずれ早期退職をしたいと考える30~40代の働き世代も増えています。

50代で早期退職した元会社員の方で家賃収入を得ながら暮らしている男性の実感をご紹介しましょう。

早期退職して不動産投資が成功した実感

  • 40代からマンションで不動産投資を始めたが、早く始めておけばよかった
  • 資産形成は期間と運用額がモノを言う
  • 時間は誰にでも等しくあるので、あとはいかに早く気付いて資産形成を始められるか

私もFPとしてお客様と話をするとき、「できるだけ早めに資産形成する意識を」とお伝えしています。

ココがポイント

それが不動産であっても金融商品であっても、時間をかけて資産を増やす視点を持つか否かでその後が大きく変わると言って過言でありません。

海外のコンドミニアムも視野に入れる

不動産投資なら都内の物件をメインに考えている人が多いはずです。

しかしながら都内の優良物件価格は1DKでも2億ほどにまで上昇しており、果たしてどうかと考える人もいらっしゃるのではないでしょうか。

マンション購入を検討している早期退職者の中で、海外のコンドミニアム(日本で言うマンション)を購入する人は増えています。理由は「都内港区のクオリティと同レベルの海外コンドミニアム」が1/5~1/ 3程度の資金で購入でき、日本では実現できないような売却益や高利回りが期待できることも多いからです

都内のマンションに比べて圧倒的に割安な海外のコンドミニアムをいくつか購入した上で、空室の稼働率を上げたり、価格が上昇したタイミングで売却益を狙う人が増えています。

以下ご興味がある方はご参考ください。

早期退職時に住み替えでマンション購入

住み替えとしてマンション購入を検討する早期退職者もいるでしょう。

賃貸でマンション暮らしを続けていると老後賃貸料を払うのが果たして得か、戸建てで暮らしていたパターンでは防犯性や体の負担を減らすマンションが魅力に感じられるケースも。

以下そんな早期退職でよく浮上するケースの詳細を解説します。

賃貸かマンション購入か?まずは「ガチシミュレーション」

このまま生涯賃貸を続けるか、マンションを所有するかを考える時、誰もが電卓を片手に試算してみるはずです。

しかし、自己流でやってしまったがために詰めが甘かったりすると、早期退職後の正確なシミュレーションはできず将来困ってしまうこともあるでしょう。ここはしっかりシミュレーションするしかありません。

ココに注意

正直自己流の電卓計算だと相当無理があります。以下のような公式サイトの便利なシミュレーションを活用して正確に試算してみてくださいね。

【Step1】

以下のフラット35公式のシミュレーションサイトを開くと、団体信用保険などを含めて詳細なシミュレーションができます。

【Step2】

次はノムコムサイトで賃貸か購入かを比較シミュレーション

さてそれでは「54歳の男性が早期退職時にマンション購入を検討しているケース」を例にしてシミュレーションをしてみようと思います。子供に残す資産をマンションにして相続税を抑制し、万一の時に団体信用保険で返済されるメリットを活用しようとしています。

54歳の男性が早期退職時にマンション購入を検討しているケース

  • 新築マンション価格:5800万円
  • 早期退職金を含む自己資金:2000万円
  • 住宅ローン額:3800万円
  • 住宅ローンの返済期間20年・金利1.35%
  • 団体信用保険:あり
  • 月々の返済額 16.4 万~18万円
  • 住宅ローン控除:10年間残高に対して0.7%
  • リフォーム:10年目と20年目に総額500万円

step
1
借り入れ金額から返済額をシミュレーション

まずは以下のシミュレーションツールを活用しながら希望の借り入れ金額から返済額を試算してみます。

▼フラット35の公式サイトへ

50代世代で視力低下により見えないと感じる方、倍率変えてみてください

住宅ローンのプラン

借入額 借入期間 金利
基本プラン フラット35 3800万円 全期間固定・1.35% 融資手数料定格
保証不要
+ 下記の団体信用生命保険料
プラン1 三大疾病保証型・毎年払い
プラン2 三大疾病保証なし・毎年払い
プラン1 プラン2
毎月の返済額 全期間 180,757円 163,962円
年間返済額 全期間 2,169,084円 1,967,564円
借入期間 20年
総返済額 43,381,698円 39.350,927円
利息分内わけ 5,381,698円 1,350,927円
利息の割合 12.5% 3.5%
諸費用 1,414,500円 2,158,800円
支払額総額 44,796,198円 41,509,727円

将来の残額はいくらか?

プラン1 プラン2
60歳の時 27,655,999円 26,877,944円
64歳の時 20,279,846円 19,332,439円
完済の時の年齢 74歳

住宅ローンの利用にあたり必要な費用

  • 印紙税:2万円
  • 登録免許税:38,000円
  • 抵当権設定の司法書士への報酬:6万円
    合計金額118,000円

住宅購入後の費用

  • 10年目と20年目のリフォーム総額:500万円程度

メモ

シミュレーションすると「こんな費用も必要だったのか。。」とリアルに実感すると思います。

退職金を頭金に入れたりして月々の返済を減らすなど、納得できる線を模索してみましょう。

こんな費用必要だった。。って誰もが思いますよね。 でもそれを上回るメリットを感じられたらいいと思います。

step
2
賃貸か購入か?をシミュレーション

次は以下のサイトで賃貸かマンション購入かを比較シミュレーションです。

▼ノムコムサイトでシミュレーション

早期退職で賃貸を続けるかマンション購入か比較シミュレーション

家賃を払い続ける場合 マンションを購入する場合
家賃の月額13万円 借り入れ金額:3800万円
契約の更新:2年毎 返済金利:13.5%
契約更新に必要な費用:家賃3ケ月分 返済期間:20年
更新のときの想定値上がり率:5%
家賃 マンション購入 差額
20年経過の毎月支払額 201,672 180,758 20,914
20年目の年間支払額 2,420,064 2,169,096 250,968
20年間の支払い総額 43,758,402 43,381,920 376,482
平均月月額 182,326 180,758 1,568

単位:円

上のようにシミュレーションしてみると、数字でどちらが自分にとって最適かが実感できると思います。

今回のシミュレーションは差額がほぼない、という比較になりました。

ここから、「子供に資産を残せる」「相続税対策になりそう」などと言ったそれぞれのメリットが感じられるようであれば、早期退職後のマンション購入は「あり」なのかもしれませんね。

賃貸からの住み替えでマンション購入する時のメリットとデメリット

「これまで賃貸だったところを早期退職を控えてマンション購入するパターン」ですと、メリット・デメリットは以下のとおりです。

賃貸からの住み替えでマンション購入する時のメリット

  • 早期退職時から生涯発生するの賃料総額よりも、マンションの購入費用のほうが安上がりになりそうだから
  • 子供が独立し、学区や学校などを考慮する必要がなくなるため選択肢が増える
  • 資産として子供や孫にマンションを残せる
  • 相続税の軽減につながる(後述)
  • リバースモゲージが活用できるケースがあり老後資金が確保できる

賃貸からの住み替えでマンションを購入する時の最大のメリットは、「生涯の賃料よりも購入したほうが安くなる場合」です。

ココに注目

リバースモーゲージとは、所有物件を担保に入れて生活資金を借り入れることを言います。子供がおらず家族に資産を残さなくてもいい人にとってはメリットがある仕組みです。

リバースもゲージについては借り入れの途中で死亡すると、担保に入れていた物件を元手に借入金が返済されるといったシステムになっていますので、子供や家族に残さなくてもいい人にはお得と感じるかもしれません。

それではデメリットはいかがでしょうか。

賃貸からの住み替えでマンション購入する時のデメリット

  • 長期間のローンが組みずらい
  • 持病で団体信用保険に加入できないケースがある
  • 毎月3万円程度またはそれ以上の修繕積立費や管理費が発生する
  • 固定資産税が発生する

賃貸の場合は固定資産税もマンションの修繕費管理費も発生しませんので、マンション購入の時に生涯必要になるこの負担を考えると賃貸の方がいいと思える場合もあるのではないでしょうか。

賃貸からの住み替えでマンションを購入する時、メリットとデメリットを踏まえ、電卓を片手に綿密なるシミュレーションが必要そうです。

以下のコンテンツでかなり綿密な早期退職のシミュレーションができますのでお試しになってみてくださいね。

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戸建てからの住み替えでマンション購入するときのメリットとデメリット

ずっと戸建て暮らししていた人で早期退職とともに住み替えでマンション購入を検討する人はどうでしょうか?

戸建てからの住み替えでマンション購入するときのメリット

  • 戸建てのように屋根や外壁の塗直しなど大規模なリフォーム費用が不要
  • 階段の上り下りが不要・体の負担が減る
  • オートロックで防犯性が高く安全性が増す
  • 子供が独立し、学区や学校などを考慮する必要がなくなるため選択肢が増える
  • 子供や孫に資産として残せる
  • 相続税の軽減につながる(後述)

マンションのリフォームについては飽くまで内装だけで済みますし、配管の劣化に伴う水漏れなど共有部分で改修されることも多いため、戸建てほど大規模な改修は不要になります。

高齢者の戸建て住宅を狙った犯罪も増えていることは確か、そして物忘れなどの機会も増え万一の被害にも遭遇しかねません。オートロックで防犯性が増すのが安心に思える人は多いのではないでしょうか。

デメリットに関しては上述したポイントとほぼ同じ。年齢的に仕方ない点もあると考えるしかないですが、改善策がないわけでもないので、要相談の上解決策を見つけていくのもよいでしょう。

戸建てからの住み替えでマンション購入するときのデメリット

  • 長期間のローンが組みずらい
  • 持病で団体信用保険に加入できないケースがある
  • 毎月3万円程度またはそれ以上の修繕積立費や管理費が発生する
  • 固定資産税が発生する
  • 戸建てのリフォームよりマンションのリフォームの方が制限は受けやすい
  • ペットの飼育に制限を受ける

マンション購入にまつわる税金

 

マンションを購入すると相続税の負担が減るってどういうこと?

マンションを購入すると相続税の負担が減ります。この理由は、以下のとおりです。

ココに注目

現預金だとその金額がそのまま評価額に。一方マンションの場合は固定資産税評価額の5‐7割で評価されるため、相続税対策として有効なのです。

相続税がだいぶ圧縮されますので、お子さんの税負担を軽減できます。

 

  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。