個人が海外銀行を口座開設するには・なぜ日本人が海外銀行口座を持つ人が増えてる?

個人が海外銀行を必要とする時代になりました。ここでは日本人が個人で海外銀行を選ぶときのポイント、具体的な手続きフローについてもお知らせしています。

海外銀行口座とは

海外銀行とは、外国に銀行業のライセンスを持つ金融機関を言います。

どの国の銀行であってもその国の許認可なしに銀行業務を行えないようになっており、預金者保護の観点からその国の法律や規制を受けルようになっているのです。

日本人に海外銀行が重要になっている理由

日本人にとって海外銀行の重要性が増している理由は以下のようになっています。

  • 資産形成にプライバシーが必要になった
  • 適法で口座を保有できる
  • 海外銀行ならではの高金利
  • 個人と法人の保有目的の重要性が増した

資産形成にプライバシーが必要になった

日本政府による急な税制の変更財政破綻のカミングアウトなど、資産運用を行う上で維持が困難に直面することが増えていきます。

地方銀行の支店やATMの閉鎖は日常でよく目にしますし、経営悪化のニュースを耳にすることが増えていますが、実は当然ながらメガバンクであっても似たり寄ったりの構造不況は根強いのです。

財務省官僚が財政破綻を宣言しており、連動するように国内銀行がより窮地に陥るようになれば預金封鎖や財産税の決行はより現実的なものとなるでしょう。

マイナカードによる個人資産口座情報の捕捉に限らず、NISAや新札発行により日本国民の資産額を把握しようとする動きに対して不安に思う人も増えているようです。

この意味で「個人資産だけをプライバシー性が高い海外銀行に逃がしておく」という方法を選択する人が増えています。

適法で口座を保有できる

さて、個人資産をプライバシー性が高い海外銀行に逃がしておく資産フライトでは、安全で適法な範囲で行うことが必須です。

違法な形で行っても不安が付き物で、決して安心して長期に安定運用が叶うものでもなくなってしまうでしょう。

日本政府からのプライバシー性を保ちつつ、適法なやり方で個人資産を海外銀行に置いておくには以下の条件が必要不可欠です。

日本政府からのプライバシー性を保ちつつ適法な資産フライトの必須条件

  • CRS非加盟国の海外銀行に資産を預ける(アメリカの銀行に直接預けると一番強いプライバシー性が保てます
  • 日本の銀行の外貨預金や、日本で申し込む外資系保険会社の商品では日本政府に情報は開示される

ココがポイント

世界の協定として、CRSという仕組みがあります。この制度ではCRS加盟国は非居住者の銀行口座情報を居住国の税務当局に自動開示しなければなりません。

しかし今後CRSに加盟しないことを固持しようとするアメリカについては、「日本人がアメリカの銀行口座を持っていたとしても国税庁に報告義務がない」のです。この制度を活用して完全なる安全な方法で資産フライトを行います。

CRS非加盟国の銀行口座を持つメリット・手続き方法も

海外銀行の秘匿性がまかり通る先はCRS非加盟国と呼ばれ、国外にお金を逃がしたい一定層に大変重宝がられています。 ここでは「銀行口座のCRSとは何か」「CRS非加盟国とは?その海外銀行口座を持つメリット ...

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CRSに加盟するのは経済的な成長を遂げた国としてのステータスのような性質ももちあわせており、現在加盟していない国は将来的にほぼ加盟させられる慣習となっているところがあります。

ココがポイント

アメリカはCRSの創設に関わり運営にも携わりながらいまだに加盟していません。世界中の資産をアメリカに集める意図をはじめから持っていたからです。

一方で日本側としてはアメリカにモノを言える立場にないので、日本の税務当局がアメリカ政府に「アメリカに口座を持っている日本人の情報」など取得できずはずもない、となればいかに適法で安全なスキームを利用するかお分かりいただけると思います。

海外銀行ならではの高金利

海外銀行では、海外ならではの高金利で資産運用できます。

以下は海外銀行の定期預金金利ランキングです。高金利だけで見ればヨーロッパのジョージアでは年利11%のパターンもあります。

日本では長年超低金利が続いておりますので驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。

ココがポイント

海外の銀行ですから必然的に為替の影響を受けるわけですが、高金利を活用したトータルリターンで収益性を狙っていくことをおすすめします。

個人と法人の保有目的の重要性が増した

お子さんが留学することになり日本から海外へ送金する必要があるとか、海外を拠点にして海外展開する法人など、個人と法人で海外銀行を持つ機会は圧倒的に増えました

中でも、日本の銀行から海外の銀行へ送金すると外貨交換のための手数料が高めに設定されていること、送金の時間がかかることなどコストも手間暇も必要な点を鑑みると、「個人や自前で海外銀行を持っていた方がメリットがある」と思える人が増えているのです。

海外へ送金する前提での送金コストや送金に要する手間暇をできるだけ少なくするするために、スマホアプリや法定通貨連動型ステーブルコインで送金できるような銀行が増えています。利便性を重視してこうした銀行を活用する日本人が増えているのです。

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アジアンバンクキャピタルトラストへの送金にはUSDTと呼ばれるステーブルコインによる方法があります。 詳しく解説していますので参考にされてください。 Contents1 アジアンバンクキャピタルトラス ...

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日本人が渡航せずに口座開設できる海外銀行の選び方

日本人口座開設できる海外銀行の選び方はまず第一に渡航せずにオンラインで手続きが完結するのが理想的です。

これを前提に日本人が口座開設できる海外銀行の選び方を解説していきます。

資産管理で適法で秘匿性を保てる海外銀行

日本人が個人で口座開設できる海外銀行の選び方のポイント1つめはは「資産管理で適法に秘匿性を保てる」といった点です。

こちらについては上述した通りの内容ですので、おさらいしておきたい人は以下を参考に熟読されてみてください。

適法で秘匿性を保つためにマストなこと

インターネットバンキングできる

海外銀行の資産管理をするために「渡航する」とか「日本の銀行を窓口として送金してもらう」などといったことは今どきではありません。※いまだに現金を直接海外銀行に持ち込む人も中にはいるようですが

インターネットバンキングで資産残高チェック・自分の口座に送金できるのが当たり前になっており、格段に利便性が上がるでしょう。

さらに言えばスマホアプリがあればベターです。

日常的に手元にあるアイテムで資産管理ができるという選択ができれば、海外銀行の資産をご自身の生活の一部にしている実感はより増すことでしょう。

口座管理のための費用について許容できるかを判断

海外銀行では、以下の費用が必要になることが多いです。

  • 口座開設費
  • 口座管理維持費
  • デビットカード発行手数料<初回のみ>
  • デビットカード紛失の際の再発行手数料
  • デビットカード更新のための手数料

海外銀行によって費用はそれぞれ異なります。

上の費用に対して許容できなければ海外銀行の口座開設自体おすすめできません。

いずれにしても上のコストを上回るメリットを感じられるのであれば海外銀行口座を開設してよかったと思えるのではないでしょうか。

世界中で現地通貨で出金できるデビッットカード

海外銀行に興味を持つ人は当然ながら海外旅行や海外での出張も日常的におありかと思います。

そんな時にデビットカードにより世界中の現地通貨で出金できると便利です。

詳細は以下を参考にされてみてくださいね。

日本人が海外銀行の口座を開設するには

日本人が個人的に海外銀行の口座を開設するには、以下のような手続きのフローになります。

海外銀行の手続き・流れ

  1. パスポートを準備(現在マイナポータルアプリから申請できます)
  2. パスポートを手にして自撮りした写真を用意
  3. 海外銀行の申し込みページで必要事項を記入・②をアップロード
  4. KYC審査で1ケ月くらい待つ
  5. デビットカードなどが送られてくる

その後は日本の銀行のようにノーメンテナンスでOKという銀行は稀で、海外銀行の管理維持が必須です。

アカウントにログインするなどして銀行からのお知らせをチェックしたり、更新料があればお支払いするなどが必要となります。

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LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。