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海外銀行の金利でついた利息の納税義務:公認会計士事務所勤務の視点から
海外銀行口座の金利でついた利息は利子所得として総合課税(最高55%)の対象となります。ただし給与所得2,000万円未満の給与所得者で、海外銀行でついた利息を含む他の所得が20万円以下の場合は申告不要です。
海外銀行だから分からないだろうし、バレないだろう、は通用しません。2,026年現在108カ国が加盟するCRS共通基準報告のルールから、海外に置かれている資産は加盟国同士で預金者の名義・預金額などの情報が自動交換される仕組みになっています。
シミュレーション:モナコ王国7,000万円預金の衝撃
かつて富裕層の聖地として位置づけらえていたモナコのプライベートバンクに7000万円を置いた場合のシミュレーションをしてみました。
モナコプライベートバンクの定期で7,000万
- 米ドル建て定期
- 利息:定期金利5%
- 利子:年間350万円
課税の整理
- モナコ現地での源泉税:ゼロ(無税)
- 自動開示:日本とのモナコで交わされている租税条約やCRSの仕組みにより、利息350万円は自動的に日本へ報告される
- 日本での課税:総合課税となり、給与所得などと合算され最高税率55%(住民税込み)の対象
一昔前までモナコの金融機関に預けた預金は無税でタクスヘブンと呼ばれていましたが今は違います。 モナコも2018年からCRS(共通報告基準)に加盟しており実質的に日本の銀行に預けるのとまったく同じ課税制度が適用されます。
為替レートの魔術:TTMではなく「TTB」で申告せよ
外貨預金についた利息を日本円に換算する際、銀行の指標レートである仲値(TTM)を使うのが一般的です。
しかし実務上は顧客が外貨を売却して円に換えるときに適用されるレートTTBの適用が認められています。
例えば1ドル=157円(TTM)の時、TTBが147円であれば、147円で計算した方が「日本での課税対象額」は低く抑えられます。この方法を選択して継続適用すれば、合法的に納税額を減らすことが可能です。
さきほどのモナコでの7000万円定期預金でシミュレーションをします。
- 原則:利子が付与された当日のレートを適用
- 利息付与の当日のレート:1ドル=157円(TTM)・TTBが147円
- 元本:7,000万円(約46万ドル)
- 金利5%:2.3万ドル
- 利息:日本円で約345万円
- モナコ現地課税:0円
- 日本での課税対象額:345万円
このモナコという海外銀行の金利でついた利息345万円は、日本での給与所得と合算されます。これについても以下シミュレーションをしてみました。
給与所得と合算した総合課税の計算
- 日本での給与収入:1,200万円(所得 約970万円)
- モナコの利子所得:約345万円
- 合計課税所得(総合課税の対象額):約1,315万円
- 所得税33%+住民税10%を加味した納税額:415万円
所得1,000万円超から所得税率は一気に跳ね上がる仕組みになっています。
モナコで口座開設をして5%稼いだとしても、日本円に換算して納税すれば手残りの実質利回りは簡単に3%を切る計算です。モナコに置けば分からないという幻想はこのとおり意味を成しません。
二重課税を回避する「外国税額控除」の真実
無税国のトラップ・外国税額控除がゼロゆえに日本の税制でフル課税される
上述しましたCRS加盟国では現地で源泉税が引かれ、その分は日本の税額から差し引く外国税額控除が適用されることになっています。
前例のモナコについては現地での利子課税がゼロ(0%)ですので、「現地で払った税金」も「外国税控除」も存在しません。つまり最大55%の所得税が1円の控除もなく日本の税制でフル課税されるのがよくある無税国のトラップです。
あえて現地税15%前後の国を選び、日本の高い所得税と現地納税分とを相殺すれば、実質的な手残りを調整することもできます。
税額20%前後の海外銀行で金利がついた場合・日本の高い所得税と現地納税分とを相殺
現地の源泉税が20%前後のフィリピンの場合、日本で計算された所得税額からその20%分を外国税額控除として差し引くことができます。
日本での追加納税額を大幅に減らすことができ、キャッシュフロー上の負担はだいぶ軽くなるでしょう。
フィリピンと日本の間には租税条約があり、現地で確実に20%引かれているという事実が日本の税務当局に対して二重課税を回避するための正当な権利の根拠になります。
CRS非加盟国であるフィリピンに資産を置いている場合、正しく納税しているという状態を作りつつ、元本などの資産の全容については日本政府に把握させないという、絶妙なプライバシーの確保が可能になります。
さらに、フィリピンで20%引かれた税金がその年の日本の所得税額(控除限度額)を超えてしまった場合、その「使い切れなかった控除枠」を3年間繰り越し控除として利用できます。日本で他の副収入や利益が出た際に、このフィリピンで払った20%のストックをぶつけて節税することが可能になると言う意味です。
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3年間の繰り越し:富裕層が知るべき「控除の繰り越し」
フィリピンの例で見たように、外国税額控除には使いきれなかった枠を翌年以降3年間持ち越せるという強力なバッファ機能が備わっています。
海外での納税額が日本の控除限度額を超えてしまった場合、その超過分を3年間ストック、将来日本で多くの利益が出た年にぶつけることができますし、 逆に海外での納税額が少なかった年の枠も3年間繰り越しできます。
今年は赤字だから申告しなくていいと考えるのではなく、赤字の年こそこの「将来の節税枠」を確定申告で確定させておくことが手持ち資金を多く残す立ち回り方です。
海外銀行の利息の申告漏れで起こるペナルティ
海外銀行だから金利がいくらなのか利息がいくらついたのか分からないという時代はCRSの制度により完全に終焉しました。
日本政府は年間約250万件以上の海外口座情報を受け取っており、モナコ・香港・シンガポールを含む108カ国の情報が、国税庁に粛々と届くのです。
申告漏れが発覚した場合、以下の重い課税申告が通達されます。
- 過少申告加算税10%〜15%という重い課税が
- 延滞税: 納期限の翌日から完納日まで
海外銀行の納税をわざわざ日本でしなければいけないなんてめんどくさい…となっていると忘れた頃に漏れなく「お尋ね」のハガキを届けるのが税務当局の仕事です。
日本国民の銀行預金が日本政府の薪・燃料に過ぎない理由からCRS非加盟国が選ばれる
以下でお伝えしていますとおり、日本政府にとって日本国民の現預金や資産は国債を買い支え、いざというときに課税、インフレを放置して自然増税を意図的に放置しながら資産を没収して過去最高の税収を達成、国を維持するための薪・燃料に過ぎません。
🎧PODCAST🎧日本の国民資産が日本政府の薪に過ぎない理由
マイナンバーと預貯金口座の紐づけキャンペーンや巨額なコストを使って行われた新札発行の狙いは、国民資産を正確に把握するためです。日本政府が管理するこの国のシステムの中に資産を置いておくと、静かな没収が起こっていると考えなければなりません。
国内の金融機関を通じた外貨預金では、高金利は一時的で結局は日本政府の管轄に置かれたままです。
一方で元本を含む資産の全容についてはフィリピンといったCRS非加盟国に置くことで、日本政府による自動把握はされません。
「ルールは守るが、支配はされない」。日本という収奪システムの中に身を置きつつ、資産本体は物理的に距離を置く。これが日本人が取れる真の資産防衛です。
▼納税義務は果たし、かつ資産の置き場所を変えることでシステムから脱却する戦略を取る方が増えています。
【当方は、相互の信頼関係を構築できる方を最優先しております。専門家の知見に対する軽視、あるいは一方的な搾取が確認された場合は、一切の通告なく接続を遮断いたします。】