日本にいながら口座開設できる海外銀行はどこ?・オンラインですべてが完結する銀行は?

現在日本で海外銀行の口座開設ができるのは、オンライン手続き・代理店を通して・日本の出張所の3パターンが可能です。

この3つのパターンで海外銀行口座が開設できる先をご紹介しています。

日本にいながら海外銀行口座開設できるパターン

それでは日本にいながら海外銀行を口座開設できるパターンとして3つをご紹介します。

  • オンライン手続き
  • 代理店を通して行う
  • 日本の出張所で開設

これらを手続きする場所がどこか?手数料の支払先はどこか?開設後のサポートはあるのかどうか?といったところで比較すると以下のようになります。

オンライン手続き 代理店を通して 日本の出張所で開設
手続き場所 スマホかPCのある場所 代理店との面談場所 日本国内の海外銀行出張所
手数料の支払先 オンライン上で口座開設本部へ支払い 代理店 海外銀行出張所
受けられる開設後のサポート サポートセンターや担当者 料金発生の可能性あり 出張所に行けばサポートしてもらえる

さまざまな海外銀行のサービスを拝見していますと、銀行口座開設後サポートするごとに都度有料でサポートを行うケースもあるようです。

必要経費として請求していると思われるので有料が悪いわけではありませんが、そうした代理店への支払いを事前に知っておく必要はあるでしょう。

それではこれら3つのパターンについて日本で開設できる海外の銀行口座がどこかをご紹介します。

オンライン手続きで完了

日本にいながら海外銀行口座を開設したいとき、オンラインで手続きが完了するパターンが一番簡単ではないかと思います。

オンラインで口座開設できる海外銀行の口座開設する流れは以下のとおり4ステップです。

オンライン手続きで完了する海外銀行の口座開設流れ

  1. 本人確認書をアップロード
  2. 口座開設ページで必要事項を入力:氏名・日本の居住地(住所)・メールアドレス・生年月日
  3. 口座開設料のお支払い
  4. カードの到着

ココがポイント

本人確認証のパスポートの期限が切れてしまっている人については、今はマイナポータルを通して申請したあと、10日もすれば各自治体の窓口で受け取れるようになっています。

取得した後はパスポートで海外旅行にでも^^

手続きから口座開設が完了するまで1ケ月ほど時間がかかる場合が多いですが、この間にテロやマネーロンダリングの防止からKYCが行われているだけで、1ケ月後には銀行口座のカードが届くでしょう。

さて、日本にいながら海外銀行の口座開設できる銀行は以下がおすすめとなっています。

アジアンバンクキャピタルトラストの概要・Asian Bank capital trustの概要

こちらではWEBで口座開設できる海外銀行として知られるアジアンバンクキャピタルトラストの概要についてお伝えしています。 オフショア・海外銀行の口座開設先をお探しの方はご参考ください。   将 ...

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  • オンラインで手続きが完了
  • 強いアメリカ経済を背景にアメリカワシントンD.C.をライセンス地としている格式の高さ
  • アメリカドル建て定期預金金利:5‐8%
  • CRS非加盟国アメリカの銀行:日本政府に秘匿性あり※後述
  • 口座開設時・口座がある限り日本語サポートあり
  • 口座の凍結の心配がない
  • 入金方法:クレカまたはUSDTと呼ばれるステーブルコイン
  • アメリカドル建て普通預金は、日本のコンビニで日本円で出金できる
  • 普通預金にドッキングされたデビットカードで買い物ができる

高い定期預金金利・日本語サポート・日本での日本円出金など至れり尽くせりの条件が揃っており、心待ちにして口座開設する方も多い特別な海外銀行です。

この銀行口座開設の無料のオンラインセミナーを行っていますので、よかったら参加されてみてくださいね。

 

代理店を通して行う

日本での海外銀行口座開設を代理店を通して行う方法もあります。

この場合代理店が海外の銀行になじみがあってそれで海外の銀行がその代理店に口座開設の代行を依頼するようなケースが多いようです。

以下は代理店を通して口座開設できると言われる海外銀行口座一例です。

  • 【CRS非加盟国】カンボジア・アグレダ銀行
  • 【CRS非加盟国】ラオス・JDB銀行
  • 【CRS加盟国】モナコ・プライベートバンク
  • 【CRS加盟国】シンガポール・OCBC

注意したいのは後述しますように現在CRSに非加盟国であっても、その国がいずれ加盟すれば口座保有者は遡って課税されるといった点です。

ココに注意

非居住者の海外銀行口座の情報はCRSと呼ばれる制度上年に一度国税庁に自動的に情報開示されており、「ほぼ日本の銀行にお金を預けているのと同じ税制上の扱い」を受けるのです。

2024年CRS加盟国一覧・国税庁

2024年のCRS加盟国一覧・国税庁

※カンボジアとラオスは2024年現在CRS非加盟国ですが、近隣のアジア諸国がCRSに加盟していることなどを鑑みると将来的に加盟の可能性が高く、遡って利息へ課税されることを知っておきましょう。

後述していますとおり現在CRSに加盟していない国の銀行口座であったとしても、すでに加盟が世界中での協調となっているので、ほぼ加盟が不可避だからです。

端的に海外銀行口座開設してみたいと思う人はまれで、海外銀行に口座を開設するうえで日本政府へ秘匿性を持っておきたいなど何らかの目的がおありかと思います。

CRS非加盟国の海外銀行としてアメリカが最も安全とされる理由は後述していますので参考にされてください。

日本出張所店で海外銀行口座開設

海外銀行の口座開設は、「海外銀行の日本出張所」で行うこともできます。

それでは日本国内の海外銀行の出張所で口座開設できる銀行をご紹介しましょう。

フィリピンPNB銀行・東京出張所・名古屋出張所

フィリピンのPNB銀行でも東京や名古屋で出張所があり、日本国内で口座開設できるようになっているようですが、口座開設できる人は以下の4つのパターンに限定されているようです。

フィリピンのPNB銀行を口座開設できる人は現地に何らかの基盤がある人

  • 不動産取得・不動産賃料受け取り
  • フィリピンでのビザ取得済みの日本人
  • 就労給与の受け取り
  • フィリピンの配偶者がいる日本人

また、以下もご参考ください。

普通預金と定期預金の決まりやルール

  • 円と米ドル預金が可能
  • 利息からは円とドルのいずれの預金においても20.315%の税金が差し引きされる
  • 定期預金の年利の最高レートは0.04%(円定期で300万円超・ドル定期で5万ドル超)

日本にいながら海外銀行の口座開設・日本の銀行を通して行う

日本の銀行窓口を通して海外銀行の口座開設を行うこともできます。三菱UFJ銀行では、現在タイアユタヤ銀行の口座開設ができるようです。

三菱UFJ・タイアユタヤ銀行

三菱UFJ

タイアユタヤ銀行は三菱UFJの連結子会社で、クルンシィタイ ベネフィットパッケージといった名称で、ノンイミグラントビザがある日本人が口座開設できるようになっています。

三菱UFJ銀行でアユタヤ銀行の口座開設できる人は、「三菱UFJ銀行の口座を保有・タイに滞在予定がある成人日本居住者」となっています。

しかし三菱UFJ銀行でできるのは仮手続きとなっており、実際にタイのアユタヤ銀行で次のような本手続きをしなければなりません。

  • 必要書類の提出:パスポート・ノンイミグラントビザ・滞在目的別書類 ・タイでの住所が記載された届出書※日本国籍の場合マイナンバー
  • 本手続き後に通帳とカードの受け取り

なお、日本語サポートがある支店は4つでエムクオーティエ・ バンコックトンソン・ジェイアベニュートンロー・ セントラルシラチャ支店です。

三菱UFJ・アメリカユニオンバンク

かつて三菱UFJ銀行ではアメリカユニオンバンクの口座開設ができましたが、現在は取り扱いがありません。

かつては三菱UFJとアメリカユニオンバンクが資本提携関係にあったようですが、これが解消されたことにより口座開設もできなくなったようです。

日本にいながら海外銀行の口座開設・メリットデメリット・選び方を知っておこう

それでは日本にいながら海外銀行の口座開設をする上でメリットデメリットを見て行きましょう。

海外銀行の口座開設メリット

  • 経済成長が著しい海外の高金利で資産運用できる
  • 円安の影響による資産価値の減少を防止できる
  • 財政破綻による影響で財産税が課されたとき、日本政府から資産を守れる

▼TBSで経済アナリストが語っていた財産税のシナリオ

アメリカは特別

アメリカの銀行で口座開設する場合、財政破綻による影響から資産を強力に守れます。

CRSという制度上世界各国は「非居住者の海外銀行口座の情報を居住地の税務当局へ情報開示することになっているからです。

アメリカに関しては将来的にCRSの制度に加盟しないと考えられ、さらに経済大国である点とその止まらない成長ぶりから資産の預け先として最も安全性が高い海外銀行の口座開設先として知られます。

CRSの制度で開示される情報は、口座名義などのほか預金残高・利息がいくらだったのかなども含みます。つまりCRSは海外銀行での非居住者の逃税を回避するための制度です。

▼CRS非加盟国のアメリカが海外銀行でなぜ最強と言えるの?

CRS非加盟国の銀行口座を持つメリット・手続き方法も

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それでは次に日本にいながら口座開設できる海外銀行のデメリットです。

海外銀行の口座開設デメリット

  • 言葉の壁がある場合が多い
  • 海外の現地に住所を要する場合が増えている
  • 為替で発生する損益
  • 海外銀行口座開設までに時間を要する
  • 利用履歴がなければ口座を凍結の恐れがある

なお、2024年現在の世界各国のCRS加盟状況は以下のとおりとなっています。

2024年CRS加盟国一覧・国税庁

【参考】アジア諸国のCRS加盟状況・2024年

アジアにおける2024年のCRS加盟状況

【CRS加盟国:緑】 【CRS非加盟国:赤】

※国税庁で公表されているCRS加盟国一覧から筆者作成

CRSに加盟している国は経済的に成長を遂げた国の一員としてこの制度に協調しているようなところがあります。逆に北のあの国の不参加はそうした意味で納得といったところでしょうか。。

アジアで比較的早く経済成長を遂げた「韓国・シンガポール・マレーシア・タイ」はすでにCRSに加盟。

成長の著しさが顕著で今後CRSに加盟が濃厚と考えられる先として「ベトナム・カンボジア・フィリピン」が挙げられます。

このCRSの加盟状況からして加盟するのが自然な流れと考えられます。それが国どうしの協調です。

現在CRSに加盟していない国と言っても、このような経済的に成功した国の協調的な制度として知られるCRSに加盟すれば、「加盟していなかった期間に遡って課税されること」を理解しておくべきでしょう。

より詳しく
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また、海外銀行を選ぶポイントも押さえておきましょう。

海外銀行の選び方のポイントとなるのは?

  • 海外銀行の口座開設の目的は何かを決める
  • 口座開設料はどのくらい必要かを知る
  • 日本の住所で取得できるできるのがいいのかどうか
  • CRS非加盟国の銀行かどうか
  • その国の言語が理解できるか・サポートがあるのかどうか

ココに注意

日本の住所で口座開設させてもらえない銀行は、現地の住所もしくはワーキングホリデーや留学などの長期の滞在証明書を要するケースが多いです。これは会社員の方など現実的ではないと思います。

この点については以下のコンテンツで詳しく解説していますのでご参考ください。

 

  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・不動産投資案件やインフラ契約のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。