タイのコンドミニアムのファサード
その国の経済状況で不動産価格も様変わりしやすく、そして不動産の商習慣や制度や法律も日本とは違っていますので、こちらでダイジェスト版として海外コンドミニアムの概要をご覧になってみてください。
Contents
海外コンドミニアム購入による不動産投資とは
日本でも注目されている海外のコンドミニアム投資とは、日本のマンションと同様に海外のコンドミニアムを取り扱った以下のような投資を言います。
海外のコンドミニアム投資は主に2パターン
- キャピタルゲインによる不動産投資:購入した後に転売して得られる売却益
- インカムゲインによる不動産投資:購入して賃料収入を得る(家賃収入)
もちろん海外のコンドミニアムを購入して第二の拠点にするのもよいでしょう。日本はいろんな意味でそうした人が増えています。
どの国の海外コンドミニアムを購入する?
海外のコンドミニアムを購入する前にその国の不動産の商習慣や法律・制度上「外国人が土地付きで不動産を購入できるか」といったところを知っておくとよいと思います。
海外では外国人が不動産を取得する上で土地には制限を付けている場合があるのです。
まずは以下のように土地付き不動産を購入できるか否かを見極めて海外コンドミニアムを購入する先の目星をつけておくといいでしょう。
土地付きの建物を購入できる国
欧米・マレーシア・韓国
建物だけは所有できる国
タイ・インドネシア・フィリピン・カンボジアなど
外国の土地はその外国の国土。日本人の国籍を持つ限り、その国の土地所有については限りもあるのも当然と言えるのかもしれません。
それでは海外コンドミニアムの購入について先進国と新興国に分けて見て行きたいと思います。
先進国の海外コンドミニアムを購入する場合
G7のような先進国で海外コンドミニアムを購入する場合、成熟した経済基盤を背景に、万一の時の法的救済措置が整備され懸念は少ない場合が多いです。
先進国での海外コンドミニアムを購入する上でのメリットとデメリットを挙げておきます。
先進国でのコンドミニアム購入のメリット
- 建物の価格が下がりにくい傾向(中古物件でも価値が下がりにくい)
- 取引においてリスクが少ない
※法治国家としての経験が長いため、不動産売買における法的解決策もあり事例も豊富 - どちらかといえば長く保有して家賃収入を狙う方が向いている
先進国でのコンドミニアム購入のデメリット
- 既に価格が上がっており、利回りは大きくない場合が多い
- 中古物件であっても割安にならないケースが多い
- 中古物件を改修する場合でも費用が高額になりやすい
先進国のコンドミニアムの利回りは大きくない、とお伝えしました。
都内の分譲マンションの平均利回りはおよそ3.8%程度、一方ハワイの平均利回りは4-10%程度と言われており、エリアによっては日本より収益性がいい場合も当然あります。
新興国の海外コンドミニアムを購入する場合
タイチェンマイの新年の様子
東南アジアのような新興国では、経済成長が著しく人口増加が見込まれている地域では不動産投資も活発化しています。
新興国での海外コンドミニアム購入のメリットとデメリットを挙げておきましょう。
新興国でのコンドミニアム購入のメリット
- 価格が上がり切っていない安い場合が多く、価格上昇が期待できる
- 開発が進んでいるエリアを狙うと、売却益が狙いやすい
しかしながら後述するように新興国の物件のすべてが割安とは限りません。
新興国でのコンドミニアム購入のデメリット
- コンドミニアムが完成する前に代金の一部を支払うプレビルド購入の場合は、「100%完成するとは言えない」
- 国内の金融機関が新興国での不動産ローンの条件に手厳しい場合がある
- 現地でローンを組む場合は現地での住所または現地での収入を要するケースもある
海外不動産の場合商習慣としてプレビルド方式が活用されるケースは多いですし購入者も多いのですが、「100%完成すると言い切れないケース」もあります。これが日本人からすると驚きでもあるはずです。
ココがおすすめ
この場合後述しますように「大手ディベロッパーによる海外コンドミニアム」を購入されることをおすすめ致します。そうすることで「工事の着手や遂行についての社会的責任」がかなり担保されるのではないでしょうか。
参考に新興諸国と日本の1㎡あたりの不動産単価を挙げておきます。
シンガポールが最も高額
- シンガポール:18,632ドル
- 日本港区赤坂:17,158ドル
- タイバンコク:7,394ドル
- カンボジアプノンペン:3,000ドル
- フィリピンマニラ:2,578ドル
- インドネシア:2476ドル
※アメリカドルにて換算
フィリピンのマニラの中でもマカティやBGCなどのエリアは東京港区と同じレベルの物件が割安で購入できることから世界中で注目されている投資物件となっています。
フィリピンマニラの中心街
海外コンドミニアム購入におすすめの国
海外のコンドミニアム購入で人気の国は以下のとおりです。
ハワイ
- 需要が長く続いており、売買が自由など外国人による不動産投資に制限を設けていないのが魅力
- 日本人にとって不動産ローンが通りやすい
タイ
- まだ価格上昇が見込まれており、売却益が期待できる
- 固定資産税が9割減り、税負担が少ない
メモ
さきほどシンガポールのコンドミニアムの平方メートル単価が都内港区赤坂のマンションよりも価格上昇しているとお伝えしました。タイのコンドミニアムについてはこの2都市の半分以下の価格です。価格上昇の余地があるかもしれません。
フィリピン
- 人口増加ボーナスが70年続くと言われ、長い経済成長が見込まれている
- 物件価格が非常に手ごろで、しかも価格上昇が期待できる
- プレビルドの場合30%の上昇が見込める物件もある
- 東南アジア唯一の英語を話す国のため、どの東南アジアの国より言語の壁が低い
- 日本から5時間でアクセスでき行き来しやすい・時差が1時間
フィリピンの場合は経済成長を背景に物件を購入するタイミングとしてかなりいい時期にあると考えられているようです。
ココがおすすめ
フィリピンのマニラ近郊は著しい都市開発が行われています。以下はフィリピンマニラ市BCGの街並みで、ここ10年内で日本で例えるなら港区レベルの洗練されたかんじに様変わりしています。
とは言えフィリピンはビーチへも手軽に行けるので、オンとオフの切り替えもしやすいです。
フィリピン カバンタランビーチ
海外コンドミニアムを購入するフロー
海外コンドミニアムを購入する場合は、以下のようなフローになります。
step
1どの国の海外コンドミニアムを購入するかは”土地”で検討
上述しましたように海外では外国人が不動産を取得する上で土地には制限を付けている場合があります。まずは以下のように土地付き不動産を購入できるか否かを見極めて海外コンドミニアムを購入する先を検討するといいでしょう。
土地付きの建物を購入できる国
欧米・マレーシア・韓国
建物だけは所有できる国
タイ・インドネシア・フィリピン・カンボジアなど
※外国の土地はその外国の国土。日本人の国籍を持つ限り、その国の土地所有については限りもあるのも当然です
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2日本国内の不動産会社からたくさん情報を入手する
さらに、新興国でコンドミニアムを探す場合は現地の企業が物件の転売や管理に関する経験が意外に浅い場合が多いです。
ココがポイント
海外コンドミニアムを購入する上で、知識も豊富なコンシェルジュのオンラインセミナー・SNS・個別相談などを受けるといいでしょう。
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3自己所有にするか・短期で売却益もしくは長期で家賃収入を狙うか
駅から近い・開発が進んでいるエリアといった点を重視し投資効率が必然的に上がる物件を選ぶ視点を持ちましょう。もちろんそうした視点を持たずにお好みのエリアで購入するのもありです。
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4海外コンドミニアム購入直前にやっておきたいこと
海外コンドミニアムを購入すると決めた物件を見つけたら、購入直前にぜひ「現地視察ツアー」に参加してみましょう。
日本でも不動産を見ることなく購入を決める人はいないと思いますし、やはり百聞は一見に如かずです。
ご自身の目で見た情報をもとに最終的な購入をお決めになってみてください。
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5海外コンドミニアムを購入後
海外コンドミニアムでは、日本のマンションで言う管理組合が存在します。それがディベロッパーによる管理事務所です。
海外コンドミニアムを購入した後、賃貸物件として貸していた最中修理が必要になった場合は、このディベロッパーによる管理事務所に任せて保全してもらうようになります。
このディベロッパーの管理事務所への管理委託料についてはまちまちですので、該当のディベロッパーに聞いてください。
管理委託料は高すぎても相応ではありませんし、安すぎても悪かろう、となりやすいです。
海外コンドミニアムを購入するメリットデメリット
上述してきましたことの繰り返しになるかもしれませんが、海外コンドミニアムを購入する上でのメリット・デメリットをまとめておきます。
海外コンドミニアムを購入する上でのメリット
- 特に新興国では売却益・キャピタルゲインが上がりやすい
- 法人で購入すれば減価償却費を活用しての節税効果が期待できる
- 先進国のコンドミニアムは、価格が下がりにくく長期的なインカムゲインとして向く
海外コンドミニアムを購入する上でのデメリット
- 新興国でのプレビルド購入の場合万一の完成しないリスクもあり得る
- 先進国のコンドミニアムの場合、中古物件であっても高額なケースがある
- 先進国のコンドミニアムは中古物件を改修する上でも費用が高額なケースがある
新興国では、物件が完成する前から販売が始まって資金調達していく不動産商習慣プレビルドがあります。
万一完成しないリスクを挙げていましたが、決して悪意があってそうしているわけでもありません。ディベロッパーが資金繰りで失敗して完成されないというケースが万が一にも起こりえるのです。
ココがおすすめ
この万一のケースを防ぐために、プレビルドでコンドミニアムを購入する際は大手ディベロッパーの物件をおすすめします。そうすることで、工事の着手や遂行に社会的責任が担保されます。
この点が日本と海外の不動産にまつわる商習慣・制度の大きな違いですので、以下で相違点を明確にしておきましょう。
日本の分譲マンションを購入する場合
マンションの5%が相場で、頭金とは別個で支払う必要があるようです。そして完成後に購入金額をローンまたは一括で支払いをしていく商習慣です。
海外コンドミニアム購入の場合
インカムゲイン(家賃収入)を狙いたい場合は物件が完成してからの収益化になりますので、完成するまでは家賃収入なしのお支払い期間があることを前提にされてください。
新興国のコンドミニアムの完成はおおむねの期間で設定されていることもあるため、完成が思った以上に時間を要すればそれだけ家賃を得られるタイミングも遅くなることを知っておく必要があるでしょう。