
2025年末大手ネット銀行の預金残高が過去最高を更新したというニュースが世間を賑わせました。預金口座へ資金が吸い寄せられる光景は『日本人の貯金信仰は健在だった』と痛感させられる出来事です。
一方目を世界に向ければ残酷な現実があり、かつて日本人が格下だと思い込んでいたフィリピンではマクドナルドのハンバーガー一つに250円を支払わなければなりません。160円で買える日本は豊かなのではありません。
本記事では18,000名以上の相談実績を持つFPの視点から『2026年版・通貨分散の理想的な割合』を提言します。通帳の数字を守り、購買力を失い続ける現預金信仰から脱却するための、具体的な資産防衛のステップを解説します。
Contents
通貨分散こそ資産防衛の基本
【年代別】FPが推奨する「通貨分散」の理想的な割合
【30‐40代】「攻め」の多極化ポートフォリオ・成長重視の通貨分散
この世代は、「アメリカの覇権が移行する20〜30年間」を現役として生き抜く必要があります。「米ドル一本足打法」もまたリスクであることを認識することが重要です。
| 保有目的や意図 | 通貨 | 割合 |
| 必要最低限。残りはすべて「価値の保存先」へ移動 | 日本円 | 15% |
| 米国株・ETFを通じて、世界最強の資本主義から配当を得る | 米ドル | 45% |
| フィリピン、インド、メキシコ等、人口が増え覇権争いの恩恵を受ける国へ | フィリピン・メキシコ・インド | 20% |
| 無国籍資産としての金。法定通貨への不信が高まる未来への備え | 金+ユーロ | 20% |
FPの視点
若い世代にとっての資産防衛は、単なる維持ではなく「成長」です。成長は常に「借金まみれの旧大国」から「若く活気ある新興勢力」へ移ります。ポートフォリオに新興国を組み込むのは歴史の必然への投資です。
【50代】 標準的な「資産防衛」のポートフォリオ
この世代の目的は「資産を増やすこと」ではなく、「円安による資産の目減りを防ぎ、今の生活水準を維持すること」にあります。過度なアクティブ運用よりもインフレ率を上回る利回りを目指しつつ、確実性を狙える資産形成を目指します。
| 保有目的や意図 | 通貨 | 割合 |
| 生活防衛資金+直近の支出用 | 日本円 | 30% |
| 利回りが確実な「インカムゲイン」を狙う | 米ドル | 40% |
| ドルの覇権が揺らいだ時のための「バックアップ」 | 金+ユーロ | 20% |
| インフレ負けしない成長性を取り込む | フィリピン・メキシコペソ | 10% |
FPの視点
定年以降は、円安で物価が上がった時に「自由に使えるお金が減る」のが最大の恐怖です。インフレは容赦なく預金の価値を削ります。「円=安全」という固定観念を捨てることが最大の資産防衛です。
【60代以降】逃げ切りポートフォリオで資産防衛とほどほどに通貨分散
60代以降の皆様にとって、最大の敵は『相場の暴落』ではなく『静かなる円の死(インフレ)』です。過去の常識であった『円建て預金100%』こそが、今の時代における最もハイリスクな投資であることを、私は現場で痛感しています。
そしてこの世代は、万が一の暴落時に「回復を待つ時間」が限られています。そのため価格変動を抑えつつ、円安による「実質的な資産目減り」を防ぐ構成が必須です。
| 保有目的や意図 | 通貨 | 割合 |
| 医療・介護・葬儀費用などの「即時決済性」を確保 | 日本円 | 40% |
| 格付けの高い債券を中心に「確実な利息(年金の上乗せ)」を得る | 米ドル | 30% |
| インフレが加速した際、生活水準を維持するための「不変の価値」 | 金 | 20% |
| ドル一極集中のリスクを排除し、多極化へ備える最低限の枠 | ユーロ・新興国債券 | 10% |
FPの視点
① 「名目価値」に騙されない(インフレ対策)
「銀行に1億円あるから大丈夫」という考えは、日本円のような衰退期の通貨においては通用しません。1億円という数字(名目)は変わらなくても、パンの値段が3倍になれば、資産は実質3分の1になったのと同じです。60代以降は、「金額」ではなく「何が買えるか(購買力)」を守る必要があります。
② 「ドル建て年金」を自分でノーリスクで作る
60代以降はリスクの高い米国株ではなく、「覇権国としての賞味期限がまだ残る米国債」や「格付けの高い社債」を活用します。ドルの利息を四半期ごとに受け取る仕組みを作れば、それは円安対策を施した「自分年金」になります。
③ 「相続」を見据えた無国籍資産(金)の保有
国家による資産凍結や増税のリスクも含まれます。特定の国に依存しない「金(現物)」をポートフォリオの2割程度組み込むことは、次世代に確実な価値を繋ぐための究極の守りとなります。
通貨分散を成功させる「3つの実務的ステップ」
ステップ1:購買力平価で考え、通貨の「真の価値」を痛感する
多くの人は「1ドル=150円」という表面上の数字(為替レート)だけで一喜一憂しますが、円安が続いて既に5年経過している2026年現在は「購買力平価(PPP)」を頭に入れて考えるべきです。
フィリピンのような成長国の人々が「250円払える力」をつけている間に、私たちは「160円の価値しかない円」を、成長する側の通貨(外貨や新興国資産)へ移し替えなければならない状況にいます。
いつか円高に戻るという期待が資産を減らす
多くの人は 「今はいろんなことが重なってまだ円安なだけ。また110円や120円に戻るだろう」と考え、現預金に資産を預けたままです。
歴史上、日本のように国家の債務が膨らみお札を刷りすぎた末に起きた「購買力の低下」が、何事もなかったかのように元に戻った例は一度もありません。
FPの断言:バーガーが 110円から190円出さないと買えなくなった変化は「一時的な変動」ではなく、通貨の構造的な劣化です。「待てば戻る」と信じて円を握りしめている間に、日本人の老後の購買力は静かに、確実に破壊されています。
ステップ2:円だけの資産保有から脱却し、実質的に海外に預ける
理屈が分かった人が取るべきアクションは、日本国内の金融制度に依存しない「真の出口」に資産を預けることです。
アメリカ一強の時代の終わりが始まっており、世界の投資家は通貨を分散することで資産防衛を着々と進めています。日本においては国内経済の影響を直接受けない、「海外の正式な金融インフラ」を確保しておくことが、究極の資産防衛です。
日本の証券会社では買えない海外の高配当株や経済成長に直結するインフラ関連銘柄を、海外口座で保有することはこれからさらに重要性を増してくるでしょう。
金融口座での資産運用だけでなく、世界の投資家たちは資産の何割かを実物資産へ振り分けることを強烈に意識し始めています。
通貨(紙幣)が信用を失う時代においては、不動産というハードアセットの価値が見直されたり、美術品や天然資源鉱物など需要が絶えないオルタナティブ投資に活路を見出す投資家も増えています。金ゴールドは実物資産重視の投資家に珍重され高騰し続けている資産の最たる例です。
160円のハンバーガーを嘆くのではなく、「250円のハンバーガーを平気で買う人々」から配当を外貨で受け取る側に回るのが、世界一の富裕国と言われながら斜陽経済真っ只中の日本人の活路と言えます。
【コラム】金利0.5%ハイパー預金の「爆増」が示す、日本人の致命的な勘違い
2025年末ハイパー預金という0.5%の金利を出す預金が人気だと報じるニュースがありました。 多くの人は「金利が付くから得だ」と考えています。しかし銀行が0.5%の金利を出しても、物価(ハンバーガー)が20%〜40%上がっていれば、実質的な資産価値は大赤字です。
恐ろしいことに、預金が積み上がるほど日本人の「購買力」は一括で日本円という「負け馬」に賭けられている状態になります。
ステップ3:定期的なリバランスの重要性・感情を配した規律
為替が動けば、当然ながら当初決めた「通貨分散の割合」は崩れます。例えばドル高が進むと、ドルの割合が勝手に増えて行くのは申し上げるまでもありません。
このような為替の変動を前提にして、年に1〜2回程度、増えすぎた外貨を売り安くなった資産を調整するという「リバランス」が必要になります。実はこれが高値掴みを防ぎ、長期的に資産を守る唯一の方法です。
これは感情を一切排し、為替レートが動いた上での通貨の割合によって再度割合を構築し直す作業に他なりません。
相場を予想するだけでなく、決めた割合を守り続けた通貨の分散こそが、巨大な歴史のサイクルの中で個人が生き残るための資産防衛策です。
まとめ:知識を「行動」に変える資産防衛・LCFPからのアドバイス
経済が弱体化して日本では経済的な収益が上がりにくいわけですから、外貨で収益を生むくらいしか方法がなくなってしまいました。
通貨の分散が必須の時代です。一つの通貨に依存せず、「米ドル+ユーロ+新興国」でバランスを取ることをおすすめします。資産の中に金ゴールドを組み込むのもよいでしょう。有事の時に金は強いです。
短期的には「米ドル・ユーロ」を維持しつつ、長期的には新興国通貨を加えるのが現実的です。ただし、「どの通貨も絶対的に安全」とは言えません。定期的な見直しが不可欠です。
【当方は、相互の信頼関係を構築できる方を最優先しております。専門家の知見に対する軽視、あるいは一方的な搾取が確認された場合は、一切の通告なく接続を遮断いたします。】