FATCAって何? わかりやすく知りたい
アメリカの税制度であるFATCA(foreign account tac compliance Act・外国口座税務コンプライアンス法)は、アメリカでの脱税を防止するために制定されました。
FATCAはなぜ必要?
アメリカで納税義務がある人が、「アメリカ以外の国」に銀行口座などを通して脱税をすることを防止しています。
日本を含むアメリカ以外の金融機関はアメリカの税制FATCAに協力するようになっていますので、アメリカの税制ではありますが国際協定のような枠組みといって構わないでしょう。
FATCAはアメリカで納税義務がある人が対象となっており、具体的には以下のような個人・法人が対象とされています。
FATACAの対象者
個人 | 法人 |
|
|
このFATCAの税制度において文言通りの想定パターンとしては以下が挙げられます。
アメリカ国籍のアメリカ人が、仕事で日本に来ており日本の金融機関で銀行口座を開設。日本の金融機関がFATCAに挙げられる該当のアメリカ人に所定の書類※で米国で納税義務者であるかどうかの確認を行い、アメリカの税務当局へ報告する。
※FATCAに関する自己宣誓書と呼ばれることがある
FATCAはアメリカ国籍を持つ人への税制であり、一方通行な制度です。後述のCRSとの兼ね合いも参考にされてみてください。
FATCAとCRSの違い
FATCAはアメリカで納税義務があるアメリカ人への脱税を防ぐ税制度です。
この制度のほかに、CRS(comon reporting standard・共通報告基準)といった枠組もご紹介します。
CRSは「『海外に銀行口座を持つ非居住者』と『海外法人』・の逃税」や「テロ組織による海外銀行口座への送金」を防止する目的で創設された制度です。
令和6年で106ケ国が加盟、年に1度非居住者の口座情報が自動的に各国の税務当局へ情報開示される仕組みになっています。
CRS加盟国は、加盟国同士で報告方法・公開情報の項目などを共有し、それに従って情報を交換しているそうです。
CRS加盟国一覧
CRSで特筆すべきなのは、アメリカが加盟していない点です。しかしながらアメリカはCRSの発起人であり、他の国に加盟を求めていたりもする立場。
かつてタクスヘブンとして有名だったモナコや香港もCRS加盟国となっており、それらの国に銀行口座を持つ人はほぼ自国に銀行口座を持っているのと同じ扱いを受けるようになりました。※秘匿性の行使不可
FATCAとCRSの対象となる金融口座の相違点
- FATCA:アメリカ国籍・アメリカ居住者・アメリカ法人が持つ、アメリカ以外の外国にある口座
- CRS:非居住者や海外法人が持つ口座
FATCAとCRSの違いを、例を挙げながら図解しますので参考にされてください。
FATCAの適用例
日本の銀行はアメリカ税務当局にBさんの口座情報を報告する義務がある。
CRSの不適用例
CRS非加盟国のアメリカは日本の国税庁にAさんの口座情報を報告する義務はない。
CRSの適用例
CRS加盟国のモナコは、日本の国税庁にAさんの口座情報について報告する義務がある。
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