ハワイのコンドミニアムを売却したい時に知っておきたい税金・コスト・手続きの流れ

ハワイのコンドミニアムを売却したい時に知っておきたいコストや税金、そして手続きの流れについて詳しく解説しています。

税金についてはハワイ州とアメリカ連邦とに分かれて徴収されますので結構な金額になりますが、免除・控除・還付が適用されるケースもあります。

コンドミニアムの売却完了までスムースに済ませたい方は特にご参考下さい。

売却に要するコストを知っておく

コンドミニアムの売却時に要するコストについて、手数料と税金に分けてその概要をお伝えしましょう。

手数料

売却で発生するコストは、仲介手数料とエスクロー手数料の2種です。

仲介手数料

日本の不動産売却と同様にハワイのコンドミニアムを売却する場合でも、物件売却価格の5%前後の仲介手数料を支払う必要があります。

ハワイのコンドミニアムの売却実績が豊富な仲介業者に売却を依頼し、納得のゆく取引ができるように依頼しましょう。

エスクロー手数料

ハワイでは不動産取引に公平性を確保するためにエスクローという、ハワイ州政府からの許諾を要する事業者が登場します。

エスクローによってハワイ不動産という高額な取引になりえる不動産取引が安全性や透明性も担保できるのです。

このエスクローに対する手数料はコンドミニアムの売却価格の1~3%程度になります。

税金

それでは次にハワイのコンドミニアムを売却する時に課される4つの税金についてご説明します。

居住用かそうでないのか、ハワイに在住の個人または法人か、1年超の所有かどうか、といった点で免除や控除の制度が適用されますので、ご自身のケースで試算されてみてください。

キャピタルゲイン税

ハワイのコンドミニアムの売却益については、以下のようにアメリカ政府とハワイ州それぞれ納税を要します。

キャピタルゲイン

キャピタルゲイン=「売却価格」-「購入価格+購入に要した税金や代理店手数料や登記費用」-「修繕に要したコスト」

こちらの金額に、アメリカ政府とハワイ州の税率を適用してそれぞれ納税します。

米国連邦キャピタルゲイン税

  • 所有期間が1年超:総所得に応じ段階的に20%までの税率を適用
  • 1年満たず売却した場合:米国の所得税率を適用

ハワイ州キャピタルゲイン税

所有期間問わず一律7.25%

なおキャピタルゲイン税については、以下のような控除制度があります。

キャピタルゲイン税の控除要件

  • 売却に至る前の過去5年内で少なくても2年超居住
  • キャピタルゲインが25万ドル未満

不動産譲渡税

ハワイの不動産を売却して所有権が移転すると、不動産譲渡税(Conveyance tax)が課されます。これは以下のように「居住用」と「投資物件または戸建て物件」とで税率が異なっています。

不動産売却額(単位:米ドル) 100ドルあたりの不動産譲渡税(単位:米ドル)
居住用 投資物件または戸建て
60万未満 0.1 0.15
60万~100万 0.2 0.25
100万~200万 0.3 0.4
200万~400万 0.5 0.6
400万~600万 0.7 0.85
600万~1000万 0.9 1.1
1000万超 1 1.25

エスクローは「売買代金から不動産譲渡税を拠出して」ハワイ州政府へ納付することになっています。売主の方が支払い手続きを行う必要はありません。

アメリカ連邦による源泉税

ほかハワイのコンドミニアムを売却する際にアメリカ連邦への源泉税(Firpta)も課されます。

コンドミニアムの売却額あたりの源泉税率

  • 100万ドル以下:10%
  • 100万ドル以上:15%

源泉税についてもエスクローは「売買代金から不動産譲渡税を拠出して」アメリカ連邦政府へ納付することになっています。

なお、こちらの源泉税については以下のような免税制度もあります。

アメリカ連邦の源泉税免税対象者

  • アメリカ法人またはアメリカ居住者
  • 売却金額が30万ドル未満、かつ居住用であること
  • IRSによる免除証明あり

ハワイ州による源泉税

ハワイ州に住所を持たない外国人がコンドミニアムを売却するときに、ハワイ州への源泉税(Harpta)が発生します。

この税額は売却額の7.25%。こちらについてもエスクローが売却金額から源泉税を拠出して支払うことになっています。

こちらの税金に関しても以下のような免除制度がありますので参考にされてください。

ハワイ州による源泉税免税対象者

  • ハワイ法人またはハワイに居住する者
  • 30万ドル未満の売却金額かつ居住目的
  • DCCAに登録済みの法人

源泉税は還付の可能性はある

上の4つの税金をご覧になって、「売却するだけでこれほど納税しなければいけないのか」と思われたことでしょう。

ハワイのコンドミニアムの価格は100万ドル超で取引されることがほとんどですから、アメリカ連邦政府の源泉税15%が適用されることも当然多いです。

かつハワイ州の源泉税率7.5%と併せて22.5%となりますので、なかなかな納税額となります。

過払い分は還付されるようになっていますので、ハワイ州の税理士に売却前に試算を依頼するといいのではないでしょうか。キャピタルゲインがゼロだった場合、源泉税は全額還付されることになっていますのでお忘れなく。

日本での納税は?

日本とアメリカは租税条約を結んでいます。これは二国で二重課税を回避するためのルールです。

一端はアメリカと日本の両国で納税を行う必要があるのですが、「アメリカで納税した分は日本で還付を受けられるようになっていますので、一つ一つ手続きを済ませてしまいましょう。

還付されるまで確かに持ち出しは多いですが、不動産の売却時に発生するキャピタルゲインと還付金を考えればかなりよい投資だったと思えることが多いのも事実です。

ハワイ不動産を売却するフロー

それではハワイ不動産を売却するフローを解説します。

全ての取引について、売主は書類や鍵のやり取りだけならば日本にいながら行うことが可能です。現地での調査やリフォームなどはエージェントなどに依頼できることも多いので、流れだけを押さえておいて後は依頼を出すことを想定されてもいいでしょう。

売却金額の希望を考えておく

売却金額の希望を考えておきましょう。

ハワイのコンドミニアムを購入した金額・購入に要した仲介手数料や税金を合算して元を取りたい場合は、各金額が書かれた契約書などを確認しておきます。

仲介業者不動産エージェントの選択・査定

以下の点に留意されて不動産エージェントを選択してみてはいかがでしょうか。

売却で実績豊富なエージェント

ハワイのコンドミニアムの売却で実績が豊富な不動産エージェントを選択されてみてください。

この不動産エージェントの既存顧客でハワイのコンドミニアムの追加購入や買い直しなどを検討しているパターンもあります。この場合メルマガなどで情報が流れたら即売却が内定することもありますので実績が豊富であることに越したことは無いのです。

ハワイと日本の両方で不動産の法人が設立されている

ハワイの不動産は、ハワイ法人でしか売買取引できないようになっています。ハワイに法人を持たない日本の不動産会社の場合は、いずれかのハワイの不動産業者に顧客を紹介するという流れを辿る必要がある(つまりここで手数料発生)ため、顧客にとってはゴチャゴチャしたように思えるかもしれません。

一番理想の仲介業者選びはハワイと日本の両方で不動産法人が設立されており、両者が親子会社のようになっているパターンです。これで手続きに一貫性が担保され、社内で情報共有が行われトラブルも抑制できるはずです。

弊社に売却のご依頼をいただく場合、日本とハワイの両方で設立された法人が一貫した環境を整備しております。

なおハワイのコンドミニアムの売却には、エージェントは1社のみにしか依頼できません。専属専任媒介契約となっていますので、複数のエージェントを探す必要はないのです。

不動産エージェントには以下を相談をしてみましょう。

不動産エージェントへの相談ポイント

  • 現在の市場価格でいくらで売却できそうか
  • 売却の希望金額(リスティング価格)
  • 最低限落としてほしくないボーダーラインの額
  • どのくらいのぺースで売却させたいのか(早期を希望ならばそのPR)
  • 必要になるコストの試算
  • 伝えておきたい物件の特徴・修繕歴・注意点など
  • 賃借人の有無

「いついつまでに売却するぞ」と意気込んで売却時期を前もって決めていらっしゃる方もいれば、方や査定に出してみて意外と高値が付きキャピタルゲインが狙えると分かった時点で売却をお決めになる方もいて、それぞれです。一番はご自身が納得されることが一番なのではないかと思います。

不動産エージェントはハワイのコンドミニアムを実際に見て以下を考慮しながら査定額を試算します。

  • 直近事例での競合物件の売却価格
  • 修繕歴やプレミアム度があれば売却額を上昇させる要素を算定

不動産エージェントと査定額に納得されたならば、不動産エージェントの間でリスティング契約を行います。

なお、リスティング契約は以下の項目が記載されることが多いです。

  • リスティング契約の期間
  • キャンセル条項
  • 売主と買主のエージェントへ支払う手数料

なお、弊社への物件査定のご依頼は以下でお知らせくださいませ。

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Multiple Listing Serviceへの登録

MLS

すべてのアメリカの不動産の取引は不動産エージェントによりMLS(Multiple listing servis)に登録されます。

この登録をもってハワイ不動産物件情報が検索され、ハワイ州だけでなく世界中の人に物件情報が閲覧されるようになるのです。

アメリカの不動産取引ではMLSに登録せずに秘密裏に取引を行うと手厳しい罰則があります。※もし内々で買い手が決まりそうなどと言った場合もMLSの登録が必須

物件見学に応じ、要望にリアクションする

ハワイのコンドミニアムの売却活動がスタートしてから間もなく物件見学のオファーが入るようになります。基本的に不動産エージェントに物件の見学の受け入れをお願いして構いません。

見学後、購入を検討している人から売買価格の交渉が入ることもあり、また条件の提示を受けることもあります。売り主として以下3パターンのようなリアクションを行ってみてください。

  • 受託(Acceptance)
  • 条件変更依頼(CounterOffer)
  • 拒否(Reject)

売買契約の成立・エスクローの開設から調査の受け入れ

ハワイ不動産の売買契約が成立したら手続き開始です。

エスクローは売り主と買主の間に入り、「買主から購入金額を受託し、売買契約が成立したら売り主に支払う」といった役割を担うほか、売主に売却金額が渡るまでは以下のような調査を行います。

jethrojeff.com

エスクローが行うチェックリスト

  • 該当の不動産が売主名義か
  • 不動産価格は適正か
  • 抵当権の有無
  • 不動産情報は買い主にとって透明性が保たれているか
  • 双方にとって不利な取引にならないか

その後エスクローから売り主に質問状(開示報告書)が届きます。この回答次第で買主は売買契約を解除することもできるほど強制力が強い調査ですので、今に至るまでに発生した補修部分や現状などを誠意をもって回答しましょう。

基本的には以下の項目は売り主が売却時に義務として負う責務となっています。

売り主の責務チェックリスト

  • コンドミニアム管理組合の約款・収支報告書・議事録など
  • シロアリ検査結果の報告書
  • インスペクション報告書
  • 売り主買主で締結された合意項目があれば修繕を行う
  • ハウスクリーニング

たまに家具だけ撤去してハウスクリーニングについては無意識にスルーしようとする人がいます💦。こうした配慮のない物件は売れませんので気を付けたいですね。。

所有権移転登記書作成

公証手続きは日本の公証役場でもできますが、売却を済ませたい期日があれば少なくても1週間前までは全ての書類を日本からハワイ州に送付しておきましょう。

この後以下を揃えて登記を行います。

  • 権利書の公証済み書類
  • サイン済みの書類
  • コンドミニアムの鍵

このあとエスクローによって所有権の移転登記書が作成されます。

指定口座に以下の金額が着金されていることを確認して売却手続きは一端完了です。

着金金額=「売却金額」ー「売却に伴う税金+エスクロー手数料+エージェント手数料」

上述しましたように人によっては源泉税の還付を受けられる可能性があります。源泉税還付の申告から実際の還付まで半年を要することもありますが、結構な金額になることも多いので税理士に確認をしてしっかり還付をお受けください。

手続き開始から売り主買主それぞれの遂行義務を流れでお伝えしますと以下のとおりとなります。

手続き開始からの流れ

  1. 手続き開始(買主は合意から2週間内であれば撤回可)
  2. エスクローの開設
  3. 開示報告書・インスペクション報告書・コンドミニアム約款・シロアリ検査報告書の提出(2から2週間以内)
  4. 買主からエスクロー口座にデポジット(1回目)
  5. 修繕・ハウスクリーニングの義務を完了しておく
  6. 買主からエスクロー口座にデポジット(2回目)
  7. 8の前の3日前に買主より残額支払い
  8. ファイナルウオークスルー(物件引渡し)

ハワイコンドミニアムの売却額査定依頼

お客様のご希望を実現できるよう、ご売却に至るまでの作業や手続きを一貫して承ります。ハワイのコンドミニアムの売却額査定は以下よりご依頼ください。

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  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・海外不動産投資案件のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。