
アメリカの金融機関に直接口座を持つ非居住者の富裕層にとってアメリカ株などの金融資産は最強として映りますが、個人名義口座として放置すれば、相続人に手厳しい法的手続きの負担と重い遺産税を強いることになりかねません。
アメリカ国税庁の「鬼さながらの遺産税システム」に無知のまま抗うことはできません。非居住者のご家族に大切な資産を残すには確かな資産の置き場所を要します。
相続人がアメリカの遺産税で路頭に迷う前に、アメリカでの金融資産一極集中のリスクを改善する具体的方法もご紹介します。
Contents
アメリカに直接PB口座を持つ資産家が、ゾッとするアメリカの鬼レベルの遺産税
アメリカPB口座にある億単位のドル資産に潜む、ゾッとする死後の世界
日本の未来を不安に思う富裕層にとってアメリカの金融資産は最強に思えるものです。基軸通貨として80年以上君臨し続け、アメリカ株はAI関連株によって力強くけん引されているので、現在の投資家にとって「アメリカの株を差し置いて何を保有するか」というほど最強の資産になっています。
そして透明性高い法治国家ということもあり「まずはアメリカのプライベートバンクに直接資産を置いておけば安心」と看過しがちですが、死後に繰り広げられる展開までよくご存じない方は少なくありません。
アメリカの金融機関に置かれていた非居住者の資産は、本人が亡くなって普段と異なるログインが検知されたら即ロックがかかります。現実的に、日本の遺族が本人のアメリカ金融機関口座にある資産を日本に送金することは不可能です。
いつもと違うIPアドレスや端末からのログイン、そしてそこに紐づいた送金依頼は、現代の金融システムのセキュリティからして一発で危険視され「安全のために自動凍結」が行われます。
アメリカ非居住者に容赦なく降りかかる「約900万円超の資産に40%課税」
非居住者の被相続人がアメリカの金融機関口座に6万ドル(およそ900万円)以上の資産を保有していたとします。
たった900万円にすぎない額を超えたら、最高税率は40%(1.5億円で適用)ほどの連邦遺産税が課せられます。アメリカの銀行・証券会社などの金融機関に直接置いている資産は100%この連邦遺産税の対象となるのです。
遺産税
アメリカ居住者としてグリーンカードを持つ場合基礎控除が1500万ドルですので、遺産税の観点から見ると非居住者は手厳しい措置となっています。
日米の相続の仕組みの違いから生まれる「相続人にとっての高い壁」
被相続人が亡くなってから、相続人にアメリカの金融機関に残された資産が渡されるまで簡単ではありません。
相続人がアメリカで弁護士を雇って相続の申告書を提出して晴れて発行に漕ぎつけるまでに実に3年は要します。このアメリカ国税庁IRSが発行する証明書が発行されて初めてアメリカの金融機関は被相続人の口座凍結を解除してくれるのです。
※アメリカでは口座が本人に3年放置されたならば自動的に休眠口座扱いされます。
一方で日本の相続税は被相続人の死亡の日を知った翌日から10ケ月内に現金一括で納付しなければなりません。もうこれだけで残された家族にとって相当ハードルが高い苦戦となってしまい、資産を残すどころか遺産放棄も視野に入れなければならないパターンをたどります。
アメリカ国税庁IRSの鬼っぷり:遺産税に時効はなく、延滞税は即追いかけてくる
アメリカの遺産税では、放置して「遺産税が時効扱いになる」というわけではありません。つまり遺産税が免除されるわけではないという意味です。
申告書を提出しなければ時効自体カウントダウンが始まりません。しかし一方で遅れたら即延滞税が発動、複利で追いかけてくるという容赦ない鬼のような仕組みをしています。
【米国非居住者の被相続人が遺産税を避ける方法】資産を置く器を変える
アメリカの遺産税とそれをめぐる金融機関の動きは、日本の相続税とは別な意味で手厳しさを感じずにいられません。
これを回避するには以下のような対策が挙げられます。
法人名義に変更する
個人でアメリカの金融機関の口座を保有すれば個人の生死によって口座凍結措置に追い込まれますが、「ご自身がコントロールする法人名義」にすれば、同じようなことは確実に回避できます。
アメリカ金融資産から「イギリス不動産へ」のシフト
- 非居住者に6000万の基礎控除を与えるイギリスでの資産形成を検討
- イギリス不動産に関してはグリーンベルトの法規制により「供給が需要に追い付かない」構造をしており、不動産市場の安定性と透明性が世界最高峰。
- アメリカ資産に偏りがちな富裕層にとって、アメリカドルの次に流動性高いイギリスポンドで通貨分散・資産防衛が強固になる
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