【日本の相続税55%から逃れる罠】相続対策でアメリカ移住を考える富裕層へ。永住権取得の瞬間に牙を剥く「剥き出しの資本主義」

相続対策としてアメリカ移住を考える富裕層は後を絶ちません。しかし安易にアメリカの永住権を取得すると、容赦なく最高税率37%の全世界課税と、「国籍離脱した時に(未売却金融資産に)みなし出国税」が課されます。

なぜアメリカは、金融資産をただの資金移動とみなし、不動産を税制面で徹底優遇するのか、その背景を解説します。

安易に相続対策としてアメリカ移住を決める前に、最後までご参考になってみて下さい。

【著者情報:LCFPO】イギリス留学・公認会計士事務所での決算業務実務経験を経たことから主に法人の節税となる金融商品販売を行い契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。FPとして受けた相談件数は18000名以上、ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・海外不動産投資案件のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。

アメリカは金融資産で執念深く税金の網を張る

最高税率55%の過酷な日本の相続税のリアル・資産家が行きつく答えがアメリカ移住

資産家富裕層にとって相続は頭の痛い話題。手塩にかけて築き上げた資産の半分以上を、相続というタイミングで没収されてしまうのは当然やりきれません。「愛する子供や家族ににできたらそのままの資産を残してあげたい」と思うのが自然です。

そのためにいかに家族に資産を残そうかを考える資産家は日々情報を探しています。このため資産家富裕層が行き着く究極の答えは、日本の相続制度への絶望であり、アメリカの永住や移住となることが多いように思います。

もしあなたも以下のようなアメリカ最強のシナリオを信じて疑わない一人だとしたら、アメリカの資本主義は生易しいわけではないと知っておいたほうがよいでしょう。

「あの最強ドルのアメリカがCRS非加盟国、資産防衛でこれほどの鉄壁はない」

「日本の相続制度から縁を断ち切るには、アメリカ移住しかないのではないか」

「はやめに米国永住権(グリーンカード)を取得して向こうでビジネスを構築しておけば、相続対策としても最良の選択になるはずだ」

アメリカは海外の富裕層を手厚く優しく扱ってくれるような親切な国ではなく、わかりやすい「剥き出しの資本主義国家」です。

日本の相続税や所得税に幻滅してアメリカ永住権グリーンカードを取得した瞬間、ある意味「別な地獄の門」をくぐることになるかもしれません。税務の視点で見たアメリカ資本主義の本質を以下お伝えします。

永住権を取得した瞬間からアメリカ国税庁の容赦なきむしり取りスタート「全世界課税の恐怖」

アメリカ国税庁はCRS非加盟国という前提で、非居住者の居住国にアメリカ国内の資産を自動情報公開しません。

この制度上、日本の相続税最高税率55%に幻滅する日本の富裕層はアメリカが最強の国として魅力に思えてしまうところがあります。

しかしひとたびアメリカ永住権を取得して居住者になった瞬間に、世界一執念深い税金の追跡者に豹変、「アメリカの居住者」として米国の税が課されます。

日本でビジネスをして得た所得、スイスなどのプライベートバンク口座で運用している金融資産の売却益、ありとあらゆる国で得られた所得がアメリカ国税庁の課税対象となり、最高税率37%超の「全世界課税」のターゲットとなります。

アメリカで永住権を取得した後、数年後に「日本に帰って余生を過ごしたい」と思ったとしても、取得後8年以上経過していれば米国国籍離脱の際にみなし出国税という名の罰が降りかかります。

アメリカのみならず全世界のどこに資産を保有していたとしても、「全資産を全額売却して現金化した」とみなされ(売却していなくても)一撃で課税される驚異的な仕組みになっています

米国みなし出国税の税率と真実

アメリカの税法では、みなし出国税には以下のように税率が適用されます。

「一年超保有していた資産:長期キャピタルゲイン税として最高20%+ネット投資所得税3.8%」

23.8%のみなし出国税は『売却していない資産』に対して課税されるのが特徴的で、即日米国国税庁に納付を求められます。

アメリカで暮らしてみてその後どう思うかはその時になってみないとわかりません。アメリカが肌に合うかもしれないし、合わないかもしれない、老後に日本が恋しくなるかもしれない、こう思うのは当然のことです。

しかしアメリカはそんな不確定な要素に生易しい措置をしてくれるわけではないのです。

これがアメリカ資本主義を甘く見てはいけない一つとなっています。

なぜアメリカは金融資産に優遇措置を設けず、不動産を徹底優遇するのか?

「日本の相続で最高税率55%を適用されるくらいなら、アメリカで永住権を取得して金融資産を増やして37%の税率を受け入れたほうがまし」このように妄信しがちなアメリカ金融資産好きの富裕層も多いですが、ここでも看過してはならない点があります。

アメリカは、「金融資産はただの資金移動」とみなし、「不動産を『現物経済を動かし、雇用を生み出す資産』」として優遇する国です。

以下不動産の優遇税制はアメリカ金融資産好きの富裕層が見落としがちなポイントとなっています。

金融資産 不動産
スタンス 数字の移動 建築・修繕・管理でアメリカに雇用を生み出し経済を動かす国策に直結
課税 利益が出たら最高税率で課税 1031エクスチェンジで売却益に課税せずに次の投資の頭金として優遇

アメリカがなぜここまで不動産に優遇措置を与えるのか? 不動産は現地の不動産仲介、弁護士、建物調査士、エスクロー、地元の建築業界、物件管理会社などさまざまな面でアメリカドルが回り経済が活性化します。

1031エクスチェンジで資金をアメリカ不動産で回し続ける限り、州の固定資産税も永続的に潤います。

だからこそアメリカ政府は不動産投資の投資家には1円も税金を取らない究極の特権を与えるのです。

【動画で解説】譲渡税で資産を減らす人・1031で資産を増やす人

CRS非加盟国と最強の基軸通貨アメリカドルの側面からすると、アメリカの金融資産が最強だと考える富裕層は多いのですが、上のようにアメリカが不動産の優遇措置とその制度が生まれた背景を知れば納得する方は多いです。

【お問合せ】アメリカ不動産での資産形成を考えたい投資家に

日本の相続税が高いから、アメリカへ行く。その動機は尤もなのですがアメリカは甘い国ではありません。

アメリカにとって金融資産の投資家は資金移動をしているに過ぎないとみなし、最高税率37%で徹底的に毟り取ります。

不動産で地域経済や建築で雇用を動かし続ける投資家に対しては、実質無税(無限繰延)にして徹底的に優遇します。

アメリカという国の制度を活用して相続対策をするとしたら、「アメリカの独特なルールと思想」に則った資産形成をするのが明らかな得策です。

この詳しいスキームについてご希望の方は以下個人面談をご活用ください。

▼【厳正審査制】国際財務セカンドオピニオン 個別面談のご案内

事前審査フォーム

  • この記事を書いた人

LCFPO

公認会計士事務所での決算業務実務経験を経て、FPとして受けた相談件数は18000名以上。主に法人の節税対策となる金融商品の販売を行い、契約の継続率・販売力・商品の品質に関するインターナショナルクオリティアワードを受賞。ほか受賞歴や業界内の取材受注多。現職は資産形成・海外不動産投資案件のご相談を承るオフィスの代表FP、事業家。くわしくは「about」よりどうぞ。